2014年2月25日火曜日

裏世界






服のデザインは出尽くしたって、僕が服づくりはじめた頃すでに言われてたけど、嘘じゃん。
10年前なくて今ある服のデザイン、価値観、組み合わせ、色々いっぱいあると思います。
だから、今でも服のデザインは出尽くしたと相も変わらず耳にしますが、
誰がなんと言おうが、これからも沢山見たこと、感じたことないものが生まれるわけで、
それらを自分で見つけていくこともできるというわけです。
それらを探すことなしに満足はなく、僕はそのために生きてます。

かねてより、僕は作る服が自分であってほしいと思っています。

この思い通りになかなかならない現実世界の中で、
それでも自分を通しあがき前に向かって変化しようともがいていく様に
最大限の人間らしさがあり、そこから生まれる可愛さは素直でなく奇妙だったりもしますが、
僕にとっての服の中身の大部分はそこにあり、魂なのだと思います。
素直になんかになってたまるか。

中身中味。
たとえば、みんなに好かれる可愛いらしいおしゃれな女の子がいて、
その子は世間との違和感に悩んでいた。
みんなに受け入れられる可愛いとかオシャレというのは、実は雑誌やテレビなど世間からの
こうあることが望ましいという刷り込みであり、本当のその子はそこにいないことになんとな~く
気づいてしまったからだ。心の裏側に潜むよくわからん本当の私を真摯に探求するほど、
世間の可愛いとかおしゃれとは離れていってしまう。だから、悩む悩む。

僕は、そういった裏側に押さえ込まれた私が表に出てきちゃって、
それを受け入れてくれない現実世間との狭間で葛藤してる複雑なかんじ、
なんかいいなって思うのです
そして、そんな得体のしれない本当の私を知り、苦しみつつ楽しみつつ
表側の私といっしょに世間に表現している人って本当に素晴らしいと思うのです。

勿論、そんな葛藤とかせず、世間にうまーく自然に自分を落とし込める人もいて、
そういった人は正直正直羨ましいし、とても素敵です。
でも、少なくとも僕は、色々不器用であったり素直でなかったりで、
全然うまく自分をおさめられなくてとても苦労した。

漫画とかドラマで出会ったスマートでかっこいいあのキャラクターのようになりたいと思ったけど、
そもそも僕は馬鹿であり、そのキャラとはかけ離れていて、無理だったのだ。
いっくらスマートを装ってもすぐにボロが出て、気付いたらくそひょうきんな僕に戻っている。
だから、いつからかそんな自分を理解し、なるったけ嘘をつかずに開き直って生きてます。

くそ寒い冬の夜、近所のガストでこのブログを書き
かれこれ10ヶ月ぶりにブログを更新している僕ですが、2014SSのご注文頂いた分
などの制作がなかなかなかなか終わらず(毎度のことで恐縮であります)、全部完了させてから書けよというかんじなのですが、すいません。

納得いくまでデザインした服を、いざ商品としてきっちり完全に作り上げる重さを痛感しています。
そして、その注文分の制作に追われ、新たに頭の中に浮かんできているものを
14-15AWの服としてなかなか作り出せない歯がゆさも感じます。

ところがどっこい、服の世界でやっている以上、生産時のこの重さは重いほど、
次の服へのバネになるのですから超ありがたいものなのであります!!


最後に次のコレクション。
まだ確定ではないのですが、展示会を
原宿で4月24日(木)~27日(日)、おそらく大阪でも5月上旬に行います。
確定次第改めて告知しますね。時間がねえええええええええええええええ

んで、
久しぶりにテーマを設けます。テーマは「裏世界」。
単純に裏ということでもあり、さっき上で書いたような、心の裏側だったり、
僕が勝手に感じるドラクエみたいな裏の世界でもあり、パラレルワールド的だったり、
異世界、裏側、きれいきたない、表の私と本当の私。なんでもいいや。

ただ、強くいきたい。
ほんの一握りの人にとっては、圧倒的と感じてもらえるコレクションにしたい。
一着一着作っていく中で、僕自身がまだ見たことないものに出会えるように
取り組んでいく所存です。